ある日

ドアを開けると唐辛子が座っていた。

梅雨入りを間近に控え、曇り空が続いているためか、私の記憶にある唐辛子よりも赤みが薄いようだ。
人ごととはいえ、そんな顔色をしていると心配になるので
「ちょっとあがって休んでいきませんか?」
と声をかけたが、唐辛子は

「お気遣い無く。いたって健康ですから」

といって、しゃなりしゃなりと歩いていった。


最近湿度が高い。