最後に会ったのは僕が札幌を離れる直前で、「じゃあ、また」と言って握手した。
「次会うのはどこだろうね」
「札幌かな、東京かな」
「ひょっとしたら海外かもね」
しばらく談笑したあと、
「じゃあ、また、どこかで」
と言った。
僕は一生懸命、彼に手を振った。彼も手を振って階段を下りていった。
僕らが話した「じゃあ、また、どこかで」はどこか空気中に霧散してしまったのだろうか。
でも、僕はまだ「どこか」で会う気がしているよ。
飄々とした素直さを抱えたままで「どこか」で会う気がしているよ。
その時、胸を張って会えるようにしておかなきゃ。
「じゃあ、また、どこかで」