母方の祖母の姉が亡くなった

大分以前から調子が悪かったのだが。もう何年も会っていない。最後に会ったのはいつだったろう。会わなくなったことには、事情があるのだが割愛。仲が悪くなったわけではない。

祖母の昔の日記を見せてもらったことがある。俺が二、三歳ぐらいのときの日記だったと思う。その中に、祖母の知り合いが亡くなり、祖母と祖母の姉がお葬式に行くという日についてつづった部分があった。
お葬式から戻ってきた祖母の姉を相手に「死ぬってなんなの?」と俺は延々、しつこいくらいに問いただし、そして祖母の姉は嬉しそうな困ったような顔をしていたという。記憶違いをしているかもしれないが。
そういう日記を見たせいかもしれないが、俺は死について考えるとき祖母の姉を思い出す。これからもきっと思い出すだろう。

昔、大分昔、「死」が気になって仕方がない俺に誰か女性がこういってくれたことがある。

「じゃあ、私が死んだら、死んだ後のことをちゃんと教えてあげるからね」

あの女性は祖母の姉だったろうか。ぼんやりとした、輪郭のない、質量のないイメージでしか思い出せない。